2015年6月29日月曜日

Amazon KindleかFireか

 アマゾンのキンドルはなかなか素晴しい製品だが、Kindle、Kindle Paperwhite、Kindle Voyageと三種類あり、他にもFireというブランドの製品もあってどれを選んだらよいのか分かりにくい。

 製品としては読書専用端末のKindleシリーズと、タブレット端末のFireシリーズの二つにおおきく分類できる。Kindleシリーズは、楽天koboやソニーのReaderとライバル関係にある端末だ。一方、FireシリーズはiPadやNexus 7と同じような機能を持つタブレットである。


■ディスプレイの違い


 Kindleシリーズはディスプレイに電子ペーパー(e-ink)を採用しているのに対して、Fireシリーズは液晶ディスプレイを採用していることが大きな違いといえよう。

 電子ペーパーは画面の切替え動作がやや遅く、現在の技術ではモノクロでしか表示できないが、ディスプレイが直接光を出さないため目に優しく、長時間の読書に向いている。原理的に画面の切替え時にのみ電力を使用するため、電池が非常に長持ちするのも利点である。この電子ペーパーを採用しているKindleシリーズは、充電管理にさほど気を使わず、ほとんど紙の書籍感覚で利用することが出来るのが大きな特徴だ。

 液晶ディスプレイはカラーで美しく表示でき、写真や動画の鑑賞に向いている。勿論電子書籍リーダーとしての表示能力も備えているオールマイティーな存在だが、ディスプレイ自体が光源となっているため、長時間読書をするには向かない。就寝前に液晶ディスプレイを長時間眺めると睡眠の質に悪影響が出るという説もある。


■向いている用途


 Kindleシリーズはどれも軽量であるため持ち運びは容易である。読書をするためには非常に快適な端末である。しかし、「読書専用」なので画像を閲覧するのには向かないし、動画を再生する機能は付いていない。この端末で美術書を鑑賞することも諦めたほうが良いだろう。一応インターネットブラウザが付属しているが、実際のところ実用に耐えるとは言いがたい。
 まさに紙の本を代替する製品と言えるだろう。

 FireシリーズはKindleに比べれば重く、電池の持ちも悪い。外出時に持ち歩くためには、基本的に毎日充電が必要になると思ったほうがよいだろう。場合によっては日に幾度も充電する必要があるかも知れない。主な用途はインターネットや写真の閲覧、動画の鑑賞で、読書は時々するだけという使い方なら、Fireシリーズを選ぶべきだろう。ともかく一台で何でもこなすのが望みならやはりこのFireシリーズがおすすめだ。
 こちらは持ち歩けるパソコンだと言っても良いだろう。


■まとめ


 それぞれ長短のある製品なので、ここまで述べたディスプレイの違いと用途とによって、どちらのシリーズを選ぶか決めるのが良い。


 読書中心に利用したいならKindleシリーズをおすすめする。いろいろやってみたいならFireシリーズがおすすめだ。