2012年2月11日土曜日

トヨタのディーラーオプションNHDT-W59でSD Audioを聴く方法

今回はトヨタのディーラーオプション「NHDT-W59」でSD Audioを聴く方法を紹介しよう。このカーナビは我が家のプリウスに取り付けたものである。

NHDT-W59にはSD Audioを再生する機能が付いている。ディーラーの営業マンの話では「SDカードに入れた音楽が再生できる」とのことだったが、SDカードにMP3などの音楽データをただコピーしただけでは、このカーナビで音楽を聴くことはできない。営業マンの話は嘘ではないが、説明が少々不足していたようだ。インターネットを使っていろいろ調べた結果、このカーナビは「SD Audio」という規格に対応した音楽データしか再生できないようになっているのだ。

では、SD Audioとは何だろうか。

一言でいえばSDメモリーカードに音楽を暗号化して保存し、そのSDカードに保存した音楽データからコピーを作成できないようにする規格のことだ。最近では、この規格を推進していたPanasonicですらSD Audioプレイヤーの生産を中止しているようだが、トヨタはPanasonicといろいろと提携しているらしいから、カーナビゲーションにもPanasonic推奨のこの規格を採用したのだろう。いまさらSD Audioでもないだろうという気もしないでもないが、しかし、このカーナビでSDカードに保存した音楽を聴こうと思ったら、このSD Audio規格にあった形式でSDカードに音楽データを保存しなければならないのである。

では、具体的にはどのようにしてSD Audioで再生できるSDカードを作成すればよいのだろうか。

答えは簡単だ。次にあげるものを利用して、音楽データをSDカードへ転送すればよいのだ。


1.Panasonicが販売しているSD Jukeboxというソフト

  • 音楽データを暗号化してSDカードへ転送するソフトだ。現在無料のSDオーディオ対応ソフトは存在しない。また、別の選択肢も存在しないようだ
  • SDオーディオ規格はかつては携帯電話の音楽再生用にひろく普及したことがある。昔買った携帯電話の付属ソフトの中にSD Mobile Impactというソフトがあれば、それを使って音楽をSDカードに転送することもできる(私はこのソフトを利用している)
  • 携帯電話用で音楽を聴くためにも利用することができる


2.著作権保護機能に対応したSDカードリーダーライター

  • パソコンのSDカードスロットや一般的なSDカードリーダーには著作権保護機能がついていないことが多いので、Panasonic製などの著作権保護機能つきのSDカードリーダーライターが必要になる


3.当然のことだがSDメモリーカード

  • SDカードはその規格に暗号化の機能を標準的に持っているようなので、SDカードはすべて著作権保護対応だ。よほどの安物を選ばない限り、どのSDカードを選んでも問題はない(らしい)。少なくとも、私の持っているSDメモリーカードはどれも問題なくSDオーディオ用に使用できた


これらのものを用意して、普段iPhoneなどで聴いている音楽データをSDメモリーカードに転送すれば、トヨタのディーラーオプション「NHDT-W59」でSDカードに保存した音楽を聴くことができる。小さなSDカードに大量の音楽を保存することができるから、音楽を一度転送してしまえば、そのあとは面倒な手間は要らない。音質もなかなかよろしい。私はMP3、192kbpsの音楽データを使用しているが、カーナビで聴く限りではCDを聴いているのと違いがわからない。

そして、勿論この方法を使って音楽データを転送したSDカードやマイクロSDカードを使ってSD Audio対応の携帯電話で音楽を聴くこともできる。 


しかし、このSDオーディオという規格は、著作権者の権利を保護することはできるけれども、一般消費者の利便性ということに対しては、きちんと考慮されていなかったのではないかと思う。
この規格が音楽再生用として普及しなかったのは、そのためだろう。
商品というものは、基本的に消費者のために作られなければ、ユーザーから見捨てられてしまうものだ。著作権の保護も大事だけれど、それはそのためにユーザーの利便性を犠牲にしたり、ユーザーに余計な出費を強いるものであってはならない。

ユーザーも馬鹿ではないのである。iPhoneやiPod、ウォークマンなどのように、もっと便利で簡単に音楽を聴ける製品が多数存在する以上、特別なソフトや特殊なSDカードリーダーライターが必要な規格を選ぶ必要はないのだから。

しかし、愛車のカーナビがこの規格を選択している以上、私は次に自動車を買い替えるときまで、このSD Audioと付き合っていかなければならない。

もしも、iPhoneやBluetooth対応の音楽プレイヤーをお持ちの方は、この面倒くさい規格にこだわる必要はない。カーナビとそれらのiPhoneなどの機器をBluetoothでつないで、音楽を再生させればよいのだから。(それでも、iPhoneの電池節約のためには、長距離ドライブのときなどは、SD Audioを使用する必要があるのだ。)

SD AudioにしてもCCCD(コピーコントロールCD)にしても、著作権保護のために消費者を無視したような規格は、早晩消費者から見捨てられる運命を持っているのではないだろうか。

蛇足だが、今日は二階でベッドに坐った状態で、このブログでも紹介したThinkPad Edge E420を使って記事を書いている。それも、一階においたNASに保存した音楽データを無線LAN経由で再生しながらだ。無線LANというものは大変便利なものだと思うし、このノートパソコンもなかなか便利で気に入っている。

そう、消費者が求めているのはこの利便性という快感なのである。いろいろな規格を考える方たちは、そういう消費者の気持を考えて規格を作ってくださいね。著作権保護されているなんてことを我々消費者が気にする必要もないうちに、いつの間にかきちんと著作権が保護されていて、何の不自由も感じないような規格を。

0 件のコメント:

コメントを投稿